第3階梯の教え
モンテカルロシミュレーション
乱数が真理を教えてくれる
モンテカルロシミュレーション
ざっくり言うと
計算できないなら、シミュレーションすればいい。 複雑すぎて数式では解けない問題も、乱数を使って何度も試行すれば答えが見える。大数の法則によって、試行回数が増えるほど真の期待値に近づいていく。これは最強の武器だ。
真理の詳細
大数の法則を利用して、シミュレーションによって期待値を推定する方法である。試行回数を増やすほど、真の期待値に近づく。数式では解けない現実の複雑さも、乱数と計算力によって支配できるのだ。
モンテカルロ法の基本原理
乱数を使った大量の試行から、統計的に期待値を推定する。
公式:
N回の試行結果の平均をとることで、期待値を推定する。試行回数Nが大きいほど、推定値は真の期待値に近づく(大数の法則)。
円周率πの推定
モンテカルロ法の古典的な例として、πを推定してみよう。
計算手順
正方形の面積: 1×1 = 1
円の面積(1/4円): π/4
点が円内に入る確率 = π/4
10,000点を打って7,850点が円内 → π ≈ 4×0.785 = 3.14
1,000,000点なら推定精度がさらに向上
結論: 試行回数を増やすほど、推定値が真のπ=3.14159...に近づく。
オプション価格の推定
金融実務で最も重要なモンテカルロ法の応用例。
計算手順
株価のランダムな経路を10,000通り生成
各経路でオプションの満期時ペイオフを計算
ペイオフの平均を現在価値に割り引く
平均ペイオフ = Σ(各経路のペイオフ)/10,000
オプション価格 = 平均ペイオフ × e^(-rT)
結論: 解析的に解けない複雑なオプションも、モンテカルロ法なら数値的に価格を求められる。
精度と試行回数
推定精度は試行回数の平方根に比例して向上する。
公式:
精度を2倍にするには、試行回数を4倍にする必要がある。これがモンテカルロ法の計算コストの本質だ。
覚えておくべき真理
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乱数が答えを導く - 無限の試行で真理に近づく
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大数の法則の応用 - 試行回数が増えるほど精度が高まる
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複雑な問題に対応 - 数式では解けない現実的な問題を数値的に処理
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精度と計算量のトレード - 求める精度に応じて試行回数を選べ
修行の時間
試練:
モンテカルロ法で推定値の標準誤差を現在の1/3にしたい。試行回数を何倍にする必要があるか?
答えの啓示:
標準誤差 = σ/√N なので、標準誤差を1/3にするには√Nを3倍にする。\nつまりNを3² = 9倍にする必要がある。\n\n例:1,000回の試行で標準誤差が0.03なら、9,000回の試行で標準誤差は約0.01になる。
試練の間
モンテカルロシミュレーションの理解度を試す。己の力を証明せよ。
近日開放